「終活」という言葉を耳にすることが増えましたが、実際にはどのような意味を持ち、どのように始めるべきかご存じでしょうか?終活とは、自分の最期をより良い形で迎えるために、事前に準備を進める活動のことを指しますが、単に遺産整理や葬儀の手配だけでなく、人生を振り返り、自分や家族にとって心の準備を整える機会でもあります。この記事では、終活の基本から実際の進め方、家族との向き合い方まで、終活を始める際に知っておきたいポイントをファイナンシャルプランナー、上級相続診断士の資格を持つ、行政書士が解説していきます。
この記事を読んで欲しい人
終活って最近よく聞くけどどんなもの?という人
まだ若いけど老後資金対策とか投資とか考えないと、という人
退職して老後生活を真剣に考え始めた人
相続など自分の死後について考え始めた人
遺言書を作成したいけど躊躇っている人
LGBTQや未婚の方でパートナーに遺産を残したい人
終活(しゅうかつ)の基本知識
終活とは、人生の終わりに向けて、事前に自身の準備や整理を行う活動のことを指します。主に、財産や遺産の整理、葬儀やお墓の手配、家族や周囲の人々に対するメッセージの伝達など、さまざまな面での準備を含んでいます。
なぜ終活が必要なのか?
終活は、老後になって自身の死後の相続のために行うことと理解されがちですが、決してそうではありません。20代、30代から少しずつ準備するものと考えてください。人はだれもがいつか人生の最期を迎えます。早くから終活を進めることにより、ご自身の人生について整理することができ、精神的な安心感を得ることができます。終活は、よりよい人生を歩める大切な一歩になります。
終活を始めるタイミング
終活を始めるタイミングやきっかけは人それぞれですが、多くの人が「もっと早く始めておけばよかった」と感じることが多いと言われています。終活は、人生の終わりを前提とした準備という意味合いがあるため、実際にいつ始めれば良いのか悩む方も少なくありません。ここで一般的なタイミングやきっかけについていくつか紹介します。
どのタイミングであれ、終活は「人生の終わり」を準備するだけではなく、自分の人生を見つめ直し、家族やパートナー、周囲の人々との関係を見つめ直す良い機会でもあります
- 60代や定年退職を迎えたとき
定年退職を機に、ライフスタイルや生活が大きく変わります。この時期は、仕事から解放され、これからの人生をどう過ごすか、また、老後の生活や死後のことを考える機会が増えるため、終活を始める良いタイミングとされています。退職金の運用方法や年金の受け取り方法など、ファイナンシャルプランナーへの相談も多くなります。 - 大きな病気やケガを経験したとき
大きな病気やケガ、あるいは手術を受けると、自分の健康や命に対する意識が高まります。これを機に、自分の最期に向けた準備や、家族に対するメッセージを整理する動機が生まれることが多いです。自分の健康に不安を覚えたときに終活を考える人が増えます。
また病気やケガで入院や手術をすると、面会や立ち合いが許されるのは家族だけであり、結婚前のパートナー、LGBTQのパートナーなど、法的に認められた家族以外は立ち会えないのが基本的な決まりになっています。近年では徐々に法整備が進んでいますが、この様な機会にパートナーとの関係を法的に整備する良い機会となるでしょう。 - 身近な人が亡くなったとき
家族やパートナー、友人など、親しい人が亡くなると、自分の人生や死について改めて考える機会が増えます。このような出来事は、「自分の終わり」について意識する大きなきっかけとなり、実際に終活を始める動機になることが多いです。 - 相続や財産整理を考えるとき
相続や遺産に関する問題が自分や家族の間で話題になったときも、終活を始めるタイミングとして適しています。財産の分配や遺言書の作成を通じて、家族間のトラブルを未然に防ぐことができるため、将来のための重要な準備となります。 - 人生の節目に感じるタイミング
例えば子供が独立したとき、結婚や離婚などで家族構成が変わったとき、定年退職や転職など人生の節目にも、自分のこれからの人生や最期について考えるきっかけとなります。このようなタイミングで終活を始める人も少なくありません。
終活を始めるきっかけ
- メディアや友人の影響
最近では、テレビや雑誌、ネットで終活の話題が取り上げられる機会が増えており、これを見て終活に興味を持つ人も多いです。また、友人や知人が終活を始めたという話を聞いて、自分も準備を始めようと思うこともよくあります。 - 将来への不安感
老後の生活や健康への不安、孤独感などが終活の動機となることがあります。特に、晩婚化、生涯未婚率の上昇、LGBTQなどパーソナリティの多様化、少子高齢化や核家族化が進む現代では、独りで最期を迎えることへの恐れが高まり、安心できる準備をしておきたいと感じる人が多くなっています。 - デジタル終活の必要性
現代では、SNSアカウントやオンラインバンク、クラウドサービスなど、デジタル資産を多く持つ人が増えています。自分が亡くなった後にこれらのデジタル遺産がどのように扱われるかを考えることも、終活のきっかけとなります。デジタル終活は、これからますます重要なトピックになると考えられています。 - 家族とのコミュニケーション
家族と自分の最期について話し合う機会ができたときも、終活を始める大きなきっかけとなります。家族が自分の希望を知り、安心して自分を見守ってくれるように準備することで、より良い関係を築くことができます。 - ライフプランを作ったとき
住宅購入資金、老後資金など、人生のまとまったお金について不安に感じ、ライフプランを作成したときは終活を考える良い機会となります。ライフプラン作成は自分の死亡までのお金の準備をして安心した人生を過ごすための大切な行動です。ライフプランを作成することにより、おのずと自分の残りの人生を考えることになります。
終活を早めに始める利点
終活を早めに始めることの利点として、精神的な安心感が得られることが挙げられます。自分の希望を明確にし、必要な手続きを済ませることで、いざというときに慌てずに済みます。また、家族やパートナーにとっても、本人の意思を尊重し、準備が整っていることで負担が軽減されるため、穏やかに最期を迎えることができます。
どのタイミングであれ、終活は「終わり」を準備するだけでなく、自分の人生を見つめ直し、家族や周囲の人々との関係を大切にする貴重な機会でもあります。
遺言書とエンディングノート
遺言書とエンディングノートは、どちらも終活における重要な要素ですが、その目的や形式が異なるため、個人のニーズや状況に応じて使い分けることが大切です。
遺言書の役割と作成方法
遺言書は、本人の死後に財産の分配や特定の指示を法的に効力のある形で残すための文書です。遺言書は民法で厳格に形式や要件が決められており、遺言書が法的に効力を持つためには、法律に有効な形で作成する必要があります。自分の死後に争いが起こることがない様に、また自分の意思をしっかりと残すために行政書士など専門家の助けを借りて作成することをお勧めします。
エンディングノートの役割
エンディングノートは、遺言書と異なり、法的な効力は持たないものの、自分の意思や希望を家族や大切な人に伝えるための重要なツールです。
エンディングノートは遺言書の代わりに人生の終盤に準備するものと思われがちですが、そんなことはありません。20代、30代から自分の考えや希望を整理し、家族へのメッセージや葬儀、財産、医療などに関する具体的な内容を書き留めておくことで、自分に万が一のことがあった場合に残された人々が困らないようにするためのものです。
- 家族へのメッセージ
エンディングノートには、普段言えない感謝の気持ちや、家族や友人、パートナーに対する最後のメッセージを残すことができます。特に、言葉で伝えるのが難しい思いを形にすることで、最期の意思を表現する手段として有効です。 - 葬儀や供養の希望を伝える
自分の葬儀の形式や規模、宗教儀礼の有無などを事前に書いておくことで、遺族が迷わずに準備を進められます。葬儀を行うかどうか、どのような式にしたいか、遺骨の取り扱い(お墓、樹木葬、海洋散骨など)も記載できるため、家族が負担を感じずにあなたの希望を反映した葬儀を行うことができます。 - 財産の整理と伝達
遺産や財産について、どこに何があるのか、誰に何を渡したいかということを書き残しておくことができます。銀行口座や保険の情報、借金やローンの有無など、財産に関する情報を家族が把握しやすくするための役割を果たします。これにより、遺族が財産整理で困ることを防げます。 - 医療や介護の希望を明確にする
自分が病気や怪我で意思を示せなくなったときの医療処置や延命治療に関する希望、介護施設の選択などをエンディングノートに記載しておくことができます。これにより、家族があなたの意思に沿った判断を行いやすくなります。 - デジタル遺産の管理
SNSアカウントやオンラインサービス、デジタル写真、クラウドストレージなどのデジタル資産に関する情報を記載しておくこともできます。これにより、遺族がどのように処理すべきかを明確にし、不要なアカウント削除や重要なデータの保存を手助けすることができます。 - 自分史の記録
自分の生涯の思い出や、達成したこと、大切にしている価値観を記録することができます。エンディングノートでは最も大切な要素となります。これにより、家族や次世代に自分の人生観や教訓を伝え、遺された人々があなたの生き方を理解する手助けとなります。
エンディングノートの作成方法
- ノートの選び
エンディングノートは、文具店や書店、オンラインで市販されていますが、自分で一から作ることも可能です。市販のものには、あらかじめ項目が設定されており、必要な情報を埋めていくだけで良いため、初めての方には便利です。自分用にカスタマイズしたノートを作成する場合は、自由な形式で記載することができますが相続診断士など専門家の意見を聞いてみるのもお勧めです。 - 項目の記入
エンディングノートに書く内容は、自分の意思や希望を明確にし、残された人が困らないようにすることを目指しています。以下の項目を参考に、重要な内容を埋めていきます。- 個人情報(名前、生年月日、連絡先、健康保険証や年金番号など)
- 家族へのメッセージ(感謝や伝えたい思い)
- 財産や保険の情報(銀行口座、株式、不動産、保険の情報など)
- 葬儀の希望(葬儀の形式、葬儀社、参列者の希望、遺骨の処置など)
- 医療・介護の希望(延命治療の希望、介護施設に入る際の希望など)
- デジタル遺産(SNSアカウント、メールアドレス、オンラインバンクの情報など)
- その他の特記事項(ペットの世話、趣味に関することなど)
- 家族に伝える
エンディングノートは、書き終わった後に信頼できる家族や友人に存在を伝えておくことが重要です。エンディングノートは法的効力を持たないため、誰にも知られないままでは意味がなくなります。ノートの保管場所や書いてある内容について、事前に簡単にでも伝えておくことで、いざという時に円滑に対応してもらえます。 - 定期的に更新する
エンディングノートに書かれた内容は、時間の経過とともに変更されることがあるため、定期的に見直して更新することが大切です。状況が変わったり、新たな希望が出てきたりした際には、その都度ノートを修正し、最新の情報を反映させるようにしましょう。 - 気軽に始める
エンディングノートは、遺言書とは異なり、気軽に始められるものです。難しく考えず、自分の思いを自由に書き留める感覚で進めてみることをお勧めします。全てを一度に書き終える必要はなく、少しずつ自分のペースで進めることができます。
終活を始める前に考えるべきこと
終活を始めることは自分の人生を振り返り、家族やパートナーとの関係を見つめ直し、自分の死後を考えることです。まずは気軽に始め、少しずつきちんとした準備をしながら進めていくことが大切です。終活はあなたの残りの人生を安心した豊かなものにしてくれるでしょう。
家族やパートナーとのコミュニケーション
終活を始める前に考えるべきこととして、特に重要なのは自分の意思や希望を明確にすることと、家族やパートナーとのコミュニケーションです。終活は、単に自分の死後の準備をするだけではなく、これからの人生をどう過ごすか、そして家族にどのように遺していくかを見つめ直す機会でもあります。
心の整理や人生の振り返り
終活を始める前に、自分が大切にしている価値観や人生観について考えることが大切です。これまでの人生で何を大切にしてきたのか、どのように老後を過ごしたいのか、どのような最期を迎えたいのかを整理することで、具体的な行動が見えてきます。例えば、「家族やパートナーと過ごす時間を大切にしたい」「自分の健康にもっと気を使いたい」「最期は静かに自宅で過ごしたい」など、あなた自身の望む未来像を描くことが出発点になります。
老後の生活設計
終活の一環として、老後の生活設計も考えておくことが必要です。例えば、リタイア後にどのような暮らしをしたいか、住む場所、生活費、介護が必要になった時の準備など、現実的な生活のシミュレーションを行います。また、どのようにして安心して暮らせるかを考えることも大切です。年金、貯蓄、保険、介護施設の選定など、経済的な面でも計画を立てておくことが将来の安心に繋がります。ファイナンシャルプランナーの手を借りて具体的、現実的な老後の生活設計を立ててみましょう。
財産整理と税金対策
財産の整理も終活の重要な要素です。自分が持っている財産の全体像を把握し、どのように分配するかを考えることが必要です。不動産、金融資産(預貯金、有価証券、保険等)、借金など、すべてをリストアップし、相続トラブルを未然に防ぐための対策を講じます。遺言書の作成や、エンディングノートに財産に関する情報を記載することが有効です。
また相続税等の税金対策も欠かせません。自分には財産と呼べるほどの資産はないと考えている方は多いですが、自分が思った以上に自宅の資産価値が上がっていた等、思いのよらない負担を残された家族に強いる結果となる場合も多々あります。専門家の助けを借りて早めの対策をすることが大切です。
お墓や葬儀の準備
お墓や葬儀の準備は、終活の中でも重要な要素です。これらの準備を事前に行っておくことで、家族や親しい人たちに負担をかけず、自分の希望通りの最期を迎えるための準備ができます。以下に、お墓や葬儀の準備に関する詳細を説明します。
お墓の種類
お墓は、亡くなった後の遺骨をどのように扱うかという重要な問題です。お墓の準備は、どのような場所に遺骨を納めるか、どのような形で供養されたいかを考えることから始まります。
- 一般墓地
伝統的なお墓で、石碑を建てて家族や親族が供養できる場所です。公営墓地や民営墓地、寺院墓地などがあります。宗教や地域の習慣に基づいた供養方法を選べます。 - 永代供養墓
後継者がいない場合や、家族に負担をかけたくない場合に選ばれることが多いお墓です。遺骨は寺院や霊園が永代にわたって供養してくれます。個別に供養する場合もあれば、他の遺骨と一緒に供養される合祀墓という形式もあります。 - 納骨堂
遺骨を屋内施設に安置するタイプのお墓です。個別に収納するスペースがあり、参拝者はその施設内で供養できます。最近は、都心部などに多く見られ、墓地を持たない方にとって便利な選択肢です。 - 樹木葬
遺骨を自然に還す方法で、樹木を墓石の代わりに植え、自然と一体化した供養を行う形式です。自然志向の強い人や、環境保護を意識する人に選ばれることが増えています。墓石が不要なため、費用も比較的低く抑えられます。 - 海洋散骨
遺骨を粉末状にして海に散骨する方法です。法律的には許可が必要ですが、自然に戻りたいという希望を持つ人にとっては魅力的な選択です。
お墓を選ぶ際に考えるべきこと
- 場所の選定
家族が訪れやすい場所や、自然に囲まれた静かな場所を選ぶことが重要です。墓地の立地やアクセスも、後々家族が供養に訪れる際の負担を考慮する必要があります。 - 費用の検討
お墓の種類によって費用は異なります。土地の購入費用、墓石の設置費用、管理費など、費用の総額を事前に確認し、無理のない範囲で準備を進めましょう。また、将来的な管理費の支払いがどうなるかも確認する必要があります。 - 継承者の有無
お墓を継ぐ人がいるかどうかも考えるべき要素です。後継者がいない場合は、永代供養や納骨堂などの選択肢が適しています。
葬儀の準備
葬儀は、亡くなった後に家族や親しい人たちが集まり、故人を見送るための儀式です。自分がどのような葬儀を希望するかを明確にしておくことは、家族にとっても大きな助けになります。葬儀の準備には以下のポイントが含まれます。
- 葬儀の形式
- 伝統的な宗教葬儀
仏教、キリスト教、神道など、特定の宗教に基づいた葬儀を行う形式です。宗教ごとに儀式の進め方や習慣が異なるため、自分がどの宗教の儀式を希望するかを事前に決めておく必要があります。 - 無宗教葬
宗教儀式にこだわらず、家族や友人が自由に故人を偲ぶ形式の葬儀です。音楽を流したり、故人の人生を振り返る映像を流すなど、個人に合わせたオリジナルの内容にすることができます。形式にこだわらず、自由な発想で葬儀を行いたい方に向いています。 - 家族葬
少人数で行うシンプルな葬儀形式です。近年、コロナ禍の影響もあり、身内だけで静かに故人を見送りたいというニーズが増えています。費用を抑えつつ、親しい人だけで故人を偲びたい場合に適しています。 - 直葬
葬儀を行わず、直接火葬場に行って火葬を行う形式です。式や儀式を省略することで、費用が大幅に抑えられるのが特徴です。無宗教の方や、故人が特に儀式を希望しない場合に選ばれます。
- 伝統的な宗教葬儀
- 葬儀の内容に関する希望
- 葬儀の場所
自宅で行いたいのか、葬儀会場で行うのか、または寺院や教会での儀式を希望するのかを決めておきます。 - 参列者の範囲
誰に参列してもらいたいか、あるいは参列を控えてもらいたい人がいる場合は、その意向も伝えておく必要があります。 - 棺や花の選定
使用する棺のデザインや、祭壇に飾る花の種類など、自分の好みに合わせた選択を事前に考えておくと、家族も準備がしやすくなります。 - 音楽や演出の希望
自分の好きな音楽を流したり、特別な演出を希望する場合は、その具体的な内容を伝えておきましょう。これにより、より個性的で自分らしい葬儀が実現します。
- 葬儀の場所
終活で行う人生の棚卸し
終活における「人生の棚卸し」とは、自分のこれまでの人生を振り返り、経験や思い出、価値観を整理することを指します。これは、単なる物や財産の整理だけでなく、心の中での振り返りを含め、人生の総決算ともいえる重要なプロセスです。終活の一環として人生を見つめ直すことで、これからの生き方や最期をどう迎えるかについて深く考えるきっかけになります。
自分の残りの人生を安心して豊かに過ごすために終活における最も大切な行動です。
自分の残りの人生を安心して豊かに過ごすために終活における最も大切な行動です。
人生の棚卸しがもたらす意味と目的
- 自分の歩んできた道を振り返る
人生の棚卸しでは、過去の出来事や経験を振り返り、自分がどのような道を歩んできたのかを再確認します。成功や失敗、喜びや悲しみ、出会った人々や経験してきたことが自分の人生にどのような影響を与えたのかを考えることで、現在の自分を見つめ直すことができます。 - 感謝の気持ちを再確認する
人生を振り返ることで、支えてくれた家族や友人、職場の同僚などへの感謝の気持ちが湧き上がることがあります。これを機に、まだ伝えられていない感謝の気持ちを表現したり、長い間疎遠だった人と再び関係を修復することも終活の一部として大切です。 - 未解決の問題を整理する
人生の中には、解決できていない問題や心の中にわだかまりとして残っているものがあるかもしれません。人生の棚卸しを通じて、そうした未解決の感情や問題に向き合い、和解したり整理することで、心の平穏を得ることができます。これは、特に家族や親しい人との関係において重要です。 - 自分の価値観を再確認する
これまでの人生を振り返ることで、自分が大切にしてきたもの、信じてきた価値観を再確認できます。この過程を通じて、最期の時を迎えるにあたって何を大切にしたいのか、どのような生き方を続けたいのかを明確にすることができます。例えば、健康に気を使いたい、友人や家族と時間を過ごしたい、静かに趣味に没頭したいなどの新たな目標や意識が生まれるかもしれません。 - これからの時間をどう過ごすかを考える
人生の棚卸しは過去を振り返るだけでなく、これからの時間をどう生きるかを考える機会でもあります。老後の過ごし方や、自分が達成したいこと、残りの人生でやりたいことを考えることで、これからの生活をより豊かにするための計画を立てることができます。旅行、趣味、ボランティア活動など、新たな目標を持つことが生きがいにも繋がります。
人生の棚卸しの具体的な方法
- 思い出や出来事のリスト化
これまでの人生で印象的だった出来事や思い出をリスト化してみます。幼少期、学生時代、結婚、仕事、子育て、趣味など、人生の各ステージで自分にとって大切だったことを整理することが、人生の振り返りに繋がります。この作業を通じて、自分が何を大切にしてきたかが見えてきます。 - 写真やアルバムの整理
人生を振り返るための手段として、写真やアルバムを整理することも効果的です。家族や友人との写真、旅行先の風景、過去のイベントなどを見返すことで、忘れていた思い出や大切な瞬間を再発見することができ、それが心の整理に役立ちます。 - エンディングノートへの記録
自分の人生の棚卸しで得た気づきや、自分が大切にしている価値観をエンディングノートに記載することで、自分の思いを形に残すことができます。エンディングノートには、葬儀の希望や財産の整理に加えて、自分の人生観や家族へのメッセージを残すこともできます。 - 物の整理(断捨離)
物理的なものを整理する「断捨離」も、人生の棚卸しの一部です。自分が持っているものを見直し、本当に必要なもの、後世に残すべきものを選び、不必要なものは処分することで、物理的なスペースだけでなく心の中もすっきりとします。 - 感謝の気持ちを伝える
人生の棚卸しを通じて、感謝したい人や伝えたい思いをリストアップし、手紙を書いたり、直接会って伝えることも有意義な方法です。これにより、心の中のわだかまりや感謝の気持ちを形にすることができます。 - 自己肯定感や満足感を高める
自己肯定感や満足感を高める終活は、近年注目されつつある終活の大切なテーマの一つです。終活は、単に死後の準備や遺産整理だけでなく、人生全体を振り返り、充実した人生を送るためのプロセスとして考えられています。
残りの人生で達成したいこと、やりたいことを具体的に考えることによって、人生に前向きな目標を持つことができ、日々の生活に活力を与えます。引退後の人生においても様々なことにチャレンジすることによって、達成感を得ることででき、自己肯定感も高まります。
人生の棚卸しがもたらす心の整理
人生の棚卸しは、ただ過去を振り返るだけでなく、心の整理を通じて、より前向きな終活を進めるための重要なステップです。過去の経験を整理することで、新たな目標や価値観が生まれ、残りの人生をより有意義に過ごすためのヒントが得られます。また、心の平安を得ることで、最後の時を迎える際の不安や恐れを軽減し、穏やかな気持ちで人生の最期を迎えることができるでしょう。
人生の棚卸しは、終活における重要なプロセスであり、時間をかけて丁寧に行うことが、その後の人生を豊かにするための鍵となります。
終活と行政書士
行政書士は行政書士法によって下記のような法的書類の作成、書類作成の相談を行うことを業務としております。(他の法律によって制限されているものを除く)
「権利義務に関する書類の作成」「事実証明に関する書類の作成」は行政書士の法定独占業務とされており、行政書士以外の者が他人の依頼を受け、報酬を得て、これらの業務を行うことはできません。
行政書士の業務は「予防法務」といわれ、争いを防ぐために予め法的に有効な契約書などの書類を作成することをメイン業務としております。
LGBTQ、生涯未婚率と離婚率の向上など近年では個々の事情により相続手続き、終活は大きく異なるようになってきています。近年ますます広がりつつある、LGBTQの同性パートナーシップ制度の申請や合意契約公正証書、任意後見契約公正証書など行政書士がお手伝いすることができる「終活手続き」は多岐に渡ります。
下記は「終活手続き」において、特に行政書士だけがお手伝いできる業務を紹介します。
相続手続きにおける登記や税務申告に関連した下記の書類作成の一部は他士業(弁護士、司法書士、税理士など)でも行うことができます。
- 官公署に提出する書類の作成支援
行政書士は、役所などの官公署に提出する書類を作成・代行できる法定の独占業務を持っています。終活の一環として、例えば以下のような書類作成を行うことが行政書士にのみ認められています。
- 財産目録を添付した相続届出書(金融機関への届出)
- 介護認定申請や医療福祉に関する公的申請書類
- 終活をサポートするための行政機関への事実証明書類(車庫証明、福祉・年金に関する各種届出)遺産分割協議書は、相続人が相続財産をどのように分けるかを決めた内容を記した書類です。行政書士は、相続人全員の合意に基づき、この書類を法的に有効な形で作成します。
- 同性パートナーシップ制度に基づく書類手続き
- 遺言書関連の公的書類作成サポート
遺言書作成は他の士業も対応できますが、行政書士は特に官公署に関連する公正証書遺言のサポートを独占的に行います。具体的には、遺言書の文案作成支援や、公正証書遺言を作成する際の公証役場への手続きサポートなど、遺言書が適切な形式で法的効力を持つよう整えるサポートが行政書士に認められています。 - 事実証明に関する書類の作成
行政書士は事実証明に関する書類の作成を独占業務としています。終活の一環として、エンディングノートの内容や財産リスト、相続関係図などの事実証明書類を作成し、遺族がわかりやすく財産や権利関係を把握できるようにサポートします。 - 死後事務委任契約書の作成サポート
死後事務委任契約とは、死後の事務処理を信頼できる第三者に依頼するための契約です。行政書士は、死後事務委任契約書の作成や内容の助言を独占的に行うことができ、例えば、葬儀の手配、役所への届出、財産の整理、賃貸物件の解約手続きなど、死後に発生する事務手続きを明確に契約書として残せるよう支援します。
これらの業務を行政書士が行うことで、家族や遺族が終活に関する不安や手続き上の負担を軽減でき、依頼者自身も安心して人生の準備を整えることが可能です。
その他、相続に関して葬儀、お墓、法事・法要の手配などは下記のようなサイトがあります。弊事務所がおすすめするサービスです。是非一度ご覧になってみてください。
みんなが選んだ終活では、評価員の調査とお客様評価によって厳選された、優良なお葬式、お墓のみをご紹介しています。
年間お問合せ件数は「21,000件」以上。専門のカウンセラーが24時間365日いつでもご相談に承ります。
第三者の目線から公平な立場でご案内していますので、少しでも選択に迷う時は遠慮なくご連絡ください。
また、みんなが選んだお葬式では、お葬式に関して多くの不安や疑問を抱いていらっしゃる方に向けて、お客様からよく聞くお葬式悩みを、初めての方でも分かりやすいように解説していきます。
お葬式やお墓に関することから法事法要や相続、保険やもの整理など終活のことならすべて、みんなが選んだシリーズで安心して探すことができます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
最近では終活についての認知が進み、さまざまなサービスが提供されるようになっています。人生100年時代を迎え、健康寿命が延びるに伴い、老後のお金の心配から家族やパートナーとの関係や法的な問題など、様々な要素が絡みあってきています。単なる遺言作成にとどまらず自分の人生を安心して豊かに暮らすための活動として重要視されてきています。
また、エンディングノートの普及は徐々に進んでいますが、その実際の作成率はまだ低いのが現状です。遺言書を作成する前段階として、専門家の意見を聞きながら早めに準備する必要があります。
この機会に専門家の手を借りて少しずつ「終活」を始めてみませんか?